前回の『ユーザー企業でも公務員の人だって受かる!【午後Ⅰ編】プロジェクトマネージャ試験対策』に続いて、今回は午後Ⅱ対策について書いていきたいと思います。
①あるべき姿を学ぶ+②定石を暗記+③論文構想を練る+④論文練習+⑤ブラッシュアップ)
= ①15年分くらい×3回+②「試験直前チェックリスト」の写経20回+③60分×3種類+④120分×3種類+⑤30分×3種類×3回
= 年末から着手
オススメの参考書
くどいようですが、翔泳社 三好康之著「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」(通称 みよちゃん本)。
この1冊でまったく問題ありません。
ほかの本を買っても良いですが、たぶん読んでる時間はないと思います。
しかも、上記の参考書にはサンプル論文がたくさん載っているので、参考書として十二分と思います。
でも私は疑り深いので三好先生の↓の本も買ってしました。内容は論文に特化していて、他の試験にも使えるのでコスパは良いと思います。
内容も充実していますので「みよちゃん本」の補助輪として活用できれば、盤石です!
ちなみに、私は↓の本も購入しました。
が、合格論文シリーズは結局ほとんど使いませんでした。
なぜかというと、サンプル論文が立派すぎて、絶対自分では2時間で書けなさそうな内容だったからです。
「みよちゃん本」のサンプル論文ほうが、泥臭くてより簡易なことが書かれています。
サンプル数も「みよちゃん本」の方が多いですし。
しかし、論文の書き方テクニックなどは参考になるとは思いますので、そのために買う、ということで割り切るのが良いでしょう。高いし。
あるべき姿を学ぶ
あるべき姿を学ぶというのは、「みよちゃん本」で推奨されている方法です。
午後Ⅱの問題文そのものがプロジェクトのあるべき姿(=プロジェクトの進め方の理想像)であるため、午後Ⅱの問題文の内容を読み込んで定着させることが重要です。
問題文は1ページしかないので、サラッと読めます。
15年分くらいを3回くらい読んでおけば、なんとなくあるべき姿は身に付くかと思います。
読んでいけばわかると思いますが、「あれっ?前にどこかで見たな?」というような問題文が多いです。そして、問題文のあるべき姿でやっていることは、
- リスクを事前に予測し、対策を打っておく
- リスクが表面化する前にも、表面化した後にも、プロジェクトメンバとのコミュニケーションをキッチリしていく
- リスクが顕在化してしまったら、原因分析(誰が悪いのか、どこが悪いのか)して、事後対応する
- どうしようもなくなりそうだったら、上席で調整
などなど・・・
業務経験があろうが、なかろうが、学生だろうが、まぁそうだよね、と常識的な内容です。
なので、「ふむふむ、そこはそうだよな」と自分に言い聞かせて納得しながら、読み進めていく、自身の立場や経験を思い出しながら読むのが良いと思っています。
無策で何回も読むのは苦痛ですからね。
大事なのは、話の流れの中で「このときはこう動く」ということをしっかりと意識して学ぶことです。
定石を暗記する
まずは”粒度”を意識する
ここでいう定石とは、「みよちゃん本」の巻末「試験直前チェックリスト」のことです。
午後Ⅰ対策としても使えます。
結構な分量があり、書いてあることはキーワードだけなのですが、見て(読んで)いるだけでは、とても覚えられません。少なくとも私はそうでした。
巻末「試験直前チェックリスト」には、上記した「あるべき姿を学ぶ」でやった「このときはこう動く」について、より具体的な動きがまとめられています。
ですので、解答にあたっては、このレベルの対応を記載していく必要があります。
なぜならば、解答は、問題文の”粒度”から1段階細かい”粒度”で作っていく必要があるとされているからです。
解答の”粒度”の具合は「試験直前チェックリスト」で養います。
いろいろなことが列挙されているので、どんなタイプの問題にも対応できるようになるはずです。
この勉強をやらないと、解答が問題文と同じ”粒度”になってしまう可能性が高く、そうなると結局、B判定とされてしまいます。
B判定の多くは具体性がないというものです。その具体性とは問題文に書かれているものではありませんので、気をつけなければなりません。とても大事なことです。
例えば”粒度”とは、こういうこと
例えば、問題文に
とあれば、解答の骨子は(あくまで想像ですのであくまで参考程度ですが)、
Aモジュールは本システムと基幹システムのインタフェースを担う部分である一方で、Bモジュールは他社からのファイル転送を担う部分である。本システムにおいては、それぞれのアウトプットをマッチングする必要がある。
このような動作要件のため、それぞれのチームの仕様および品質がバラバラだとマッチングに不具合が発生するリスクがあると考えた。そのため、双方のチームの仕様を横断的にチェックできる体制を構築することとした。
この点について、すべてのプロジェクトのメンバに対して、上記のようなチーム編成の意図を説明した。そのうえで、モジュールAおよびモジュールBチームは、整合性チェックチームへ定期的に状況報告を行うこととし、それを踏まえて、チェックチームは2週間ごとにウォークスルーを開催し、その結果をPMである私に報告するというルールを徹底した。」
という感じでしょうか。具体的でしょう。ちょっと長いかな?
しかし、このような勉強は、時間がかかります。
物覚えが良い方はいいのですが、普通のサラリーマンには結構きついはずです。周りがせわしない年末あたりに、空気を読まずにまったり「試験直前チェックリスト」を10回くらい写経を繰り返し、身につける。
こういう地道な勉強が必要だと思っています。
あとは、論文対策をしている最中にもう10回くらい写経して、仕上げましょう。
論文構想を練る
つぎは論文の構想を練りましょう。いわゆる骨子作成です。
こちらも年末年始に考えておくと、後々、確実に楽になります!
やることは次のとおりです。
ネタ(=モジュール)集め
- 携わったプロジェクトの洗い出し(プロジェクト名だけでも良い)。業務経験がなければ、「みよちゃん本」のサンプル論文や他のPM関連の本(マンガも可)でも読んで、参考にしましょう。
- ヒト(登場人物)、モノ(成果物)、カネ(予算)、時間(工数)をできるだけ具体的に洗い出しましょう。
- 次は、そのプロジェクト(案)の結果を先に決めてしまいましょう。「なんだかんだあったけど、すべてうまくいった。」という結論以外はないです。
- その結果にたどり着くまでに、どういうことがあったか。些細なことでも良いので書き出しましょう。
これで、ネタ(=モジュール)集め終了です。コレだけです。
されど、コレがかなり重要ですので、少なくとも4~5個のプロジェクト(案)くらいは集めておくと安心です。
本番で何か予想外のことがあっても、ここで集めたネタの組み合わせでいけるからです(論理の整合性には注意が必要ですが)。
ストーリーに仕立てる
次に、バラバラだったネタをストーリーとしてつなげていきます。
ポイントは、論拠を意識することです。
論拠を意識するというのは、たとえば、原因と結果を表すときに
「原因はコレだからこういう結果になった」
ではなく、
「原因はコレで、コレというのはこういうことだから、その結果こうなった」
とすることです。
プロジェクトマネージャ試験にかかわらず、論文というのはそういうものですよね。
問題文に合わせていく
最後は、問題文にあわせていく作業です。もはやこの段階は作業です(笑)
9つの知識エリアのうち、3~4つの過去問を選んでください。
後工程で練習に使いますので、自分が苦手なものは避けたほうが良いでしょう。私はEVMとかが苦手でした・・・
そして、設問で問われていることを章立てしましょう。
たとえば、「~のリスクについて述べよ。」とか「~について検討した対応策を述べよ。」とかの場合、その設問の文言そのままを章立てにします。
つまり、「2.1 ~のリスクについて」とか「3.2 ~について検討した対応策について」としていきます。
その章立てしたものの中に、上記で集めたネタを入れ込んでいきます。
その際はせっかく作った論理関係をできるだけ保ったままいきます。ひととおりできた段階で、あらためて、全体の論理関係を見直します。
このときには、キーワードとしてではなく、ある程度文章として組み合わせることが大事です。そうしないと、この後待っている、膨大な分量の文字数を満たせなくなります。
設問1の準備をしておく
設問1は例年、「プロジェクトの特徴」が問われます。
論文の冒頭の書き出しです。
なので、その後の流れのためにもしっかり書きたいところです。例年出ていることなので、試験当日に考えるのではなく、事前に考えておけば良いのです。
たとえば、
「私は○○系の会社のIT部門に勤務している社員である。今回のプロジェクトは・・・」
みたいな形でどんな問題でも使えるように作っておけば良いと思います。
論文の練習
練習方法
ここまででネタと骨子ができました。
いよいよ、実際に手書きで論文を書いていきます。
パソコンでタイピングしても良いですが、慣れるという意味で手書きを推奨します。
というか、手書きでなければなりません。私は、漢字がまったく思い出せなかったりしたのですが、いざ本番でそんなことで悩んでいる暇はないからです。そして、手の痛みとも戦います(笑)
3~4問分は手書きで書いておきましょう。
それ以上は不要です。
これだけ書けば、十分身についているし、そもそも気持ちがもちません。
あと、大事なのは2時間で書くことです。必ず制限時間内で練習しましょう。このときばかりは家族にはいろいろ我慢してもらいましょう。
そして、問題用紙も本番用と同じものを印刷して使いましょうね。
時間配分
「みよちゃん本」にも書いてありますが、設問ア 700字、設問イ 1,000字、設問ウ 800字で合計2500字くらいを目安に書く必要があります。
一文字当たりどのくらいの所要時間があるかというと、
120分 ÷ 2500字 ≒ 2.88秒
つまり、
設問ア 2.88秒 × 700字 ≒ 33分
設問イ 2.88秒 × 1,000字 ≒ 48分
設問ウ 2.88秒 × 800字 ≒ 38分
ですね。ここから、その他の時間を考慮に入れると、下記のような感じが良いかと思います。
練習ではコレを目指しましょう。
本番では微妙に緊張感があるし、問題わかんないし、疲れているしでテンパっています。このとおりにならないことと思って練習しましょう。
ブレない解答の流れのコツ(超重要)
ここでちょっとした話の流れのコツを書きたいと思います。
実は、この流れでほぼ網羅できてしまいます。
もう、ブレないはずです。ほかには、
とかもでも良いかもしれないです。
⑥~⑧がポイントですね。
あとは、⑩のような反省点と今後につなげる改善点を書くことも結構重要です。
ちなみに避けがたいリスクとは、メンバが急病になったとか、寿退社したとか、会社が統合されたとか、事業再編があったとかですね。
こんなネタを集めておけば、既にあなたは無敵です。
ブラッシュアップする
3~4問分書いた論文を見直して、自分で添削していきます。
添削サービスとかあるようですが、いらないと思います。今までやってきた「あるべき姿」とか「定石」にマッチしているか確認しながら、ガシガシ赤字や青字で添削していきましょう。
添削は少なくとも3回は行いましょう。
ダルイ作業ですが踏ん張りましょう。
もう合格は目の前です。
テクニック
あとテクニック的なことですが、問題文の表紙をビリビリ切って、解答用紙の下敷きとして使いましょう。
こうすることで、解答用紙が裏移りしてしまう(トランス状態で無我夢中で書いていると筆圧が強くなり字が裏側まで透けてしまう)ことを防げます。
添削者の心象が良くなることと思います。
わたしも最初の頃は知らずに、周りの人がビリビリ、ピリピリ切っているので何をやっているのかと不思議に思っていましたが、今思うと些細なことですが、大事なことだったと思います。
↑使い古した「みよちゃん本」。結構汚れるまで読み込みました。
以上の対策をしておけば大丈夫です。
後は変な問題や苦手な問題がでないようお祈りしてください。
試験当日は手書きした論文を持参して、「こんだけやったんだから受かるやろ」と自信を持ってください。Good Luck!
⇒論文の書き方のコツはこちら↓を参照してください。
⇒午前対策はこちら↓を参照してください。
⇒午後Ⅰ対策はこちら↓を参照してください。
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⇒試験当日にやるべきことはこちら↓を参照してください。
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