今回は、一次情報(厚生労働省の情報)から葉酸サプリの選び方をご紹介したいと思います。
葉酸(Folic Acid)とは、ビタミンB群の水溶性ビタミンの一種で、生体内で各種反応を経て補酵素として働きます。
補酵素とは、単体で作用するものではなく、酵素と反応して初めて作用する比較的小さいタンパク質です。生体内では、結構重要なタンパク質です。
妊娠と葉酸の関係
葉酸については、厚生労働省から2006年に通知された、「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」において、次のように書かれています(一部抜粋)。
神経管閉塞障害(※1 管理人注)の発症が葉酸の摂取不足のみから生じるものではなく、葉酸摂取は神経管閉塞障害の発症に関する一因である(※2 管理人注)
葉酸の摂取により神経管閉塞障害の発症リスクが低減する確実な証拠があるとはいいがたいものの、葉酸の摂取により一定の発症リスクの低減がなされるものと考えられる
食品からの葉酸摂取に加え、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取すれば、神経管閉塞障害の発症リスクが集団としてみた場合に低減することが期待できる
葉酸摂取量は1日当たり1mgを超えるべきではない
(※1)神経管閉塞障害とは、二分脊椎症(下肢の運動障害等)と無脳症(脳の形成不全)を指しているそうです。
(※2)念のため、この記述について。日本語の問題ですが、「葉酸摂取は・・・」のところは、葉酸の摂取が発症の一因なのではなく、葉酸の不適切(不足や過剰)な摂取が一因である、ということだと思います。
栄養補助食品による葉酸摂取の必要性
上記、厚生労働省の通知のとおり、妊婦さんの葉酸摂取の必要性は母子手帳等にも広く周知されています。
現在、ネット上では、葉酸について、さまざまな情報が氾濫しています。
そして、誤った情報もたくさんあります。
私も漏れなくたくさん振り回されてきました(笑)
例えば、「天然成分の葉酸だから安心」、「化学合成は危険」、「安物は危ない」、「妊婦さんには無添加がいい」などなど・・・
サプリもかなりいろんなメーカーから出てるし何が良いのだろうと、いろいろ悩んだ記憶があります。
サプリは天然型か合成型か
ここで重要なのは、サプリは「天然型か合成型か」ということです。
葉酸には、
- プロテイル(ポリ)グルタミン型(Folate):天然型
- モノグルタミン型(Folic Acid):合成型
があります。
一般的な印象として、
「天然」=安心・安全
「合成」=安価・安全でない
という印象があると思いますが、それは印象でしかないと思っています。
化学合成というのは、そうとう昔からあるサイエンスの分野で、歴史上長く実践され、証明事例が多いという点で、バイオ系の研究成果よりよほど信頼性が高いと思ってます(かく言う私はバイオ系出身ですが(笑))。
というのは良いとして、厚生労働省は上記にあるように、
「食品からの葉酸摂取に加え、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取」
としています。
ここで言う「食品」とは「プロテイルグルタミン型(Folate):天然型」で、「栄養補助食品」とは「モノグルタミン型(Folic Acid):合成型」を指しています。これは、下記の記載から読み取れます(上記通知文書p.56 『イ 利用効率について』より)。
イ.利用効率について
食品中の葉酸(folate)といわゆる栄養補助食品中の葉酸(folic acid)の体内の利用効率について差がある。いわゆる栄養補助食品の葉酸は生体内の利用効率が85パーセントと見積もられているのに対して、食品中の葉酸は代謝過程にさまざまな段階があるため、利用効率が低下する。幾つかの研究では、食品中の葉酸の利用効率は50パーセント程度と見積もられている。
つまりは、
と厚生労働省は言っているのです。
ここを間違えてはいけません。
天然は安全そうだし、少しお高いから良いものだろうというのは安直です。安直すぎます。
しかも、天然型は合成型に比べて、体内での利用効率が<35%>程度低いとされています。
ということは・・・
天然型サプリを摂ろうとするとき、食事からの葉酸摂取量が同程度とした場合、合成型と同じ量を摂取していては不足するため、天然型サプリはそれだけ多く摂取しなければならない、という結果に至ります。
ですので、天然型を使おうと思っている場合は、注意が必要ですね。
摂取量の注意
摂取量についても、注意しましょう。
上記のとおり、1日1mg(1000μg)を超えないようにしましょう。
過度の偏食ではなく、普段の健康的な食事でも、天然型葉酸は摂取できるようですので、なんでもそうですが、摂りすぎは、かえって悪影響を招くこともありますので、やはりそこそこにしましょう。
というか、葉酸は水溶性ビタミン(水に溶けやすい=排泄されやすい)なので、体内にとどまりにくいので、あまり神経質にならずに健康的な食事をし、サプリをガバガバとらなければ何の問題もないと思います。
夫としての選択
妻が妊娠している当時は、理系ダンナとして、調査結果を端的にまとめ、口頭にて丁寧に妻に説明をしていったつもりです。
そういえば、説明しているときの妻は遠い目をしていたような気がします(笑)
もちろん、私は「モノグルタミン型(Folic Acid):合成」のサプリを薦めました。
うちでは↓コレを使っていました。妊娠中不足しがちな鉄分やカルシウムも取れるからです。妊娠中はもとより、生まれた後でも摂取は良いことなので、お得な6個セットをオススメします。6か月分です。
とはいえ、今思えば、マルチビタミンとかでも良かったなとも。
ダイソーとかでも売っているやつでも、全くもって良いのかも…とか思ってしまっています。
まぁ、100均だと気持ち的に不安な方は、正しい知識をもって、変な印象操作をしている広告でない商品を選ぶのがベターかと思います。
これによる因果関係はあるともないともいえませんが、健康優良児が生まれました。
解釈について
この記事は、あくまで、厚生労働省の公開情報をもとに私が解釈した内容ですので、各種判断・結果については自己責任となります。
また、研究者の方々等の賛否両論はあるとは思いますが、あくまで素人の意見として、ご了承ください。
今回は、公的文書を参考に書かせていただきました。
コメント